今回から数回にわたって、
-atled-制作の裏話について日記を書いていこうと思います。
こういうことを書く作者ってのがあまりいないから、
どうかなぁ……とは思ったんですが、
第3部が出てから話をしちゃうと後出しっぽくなるんで、
原作者として-atled-について話しておこうと思います。
ほかの同人ゲーム制作サークルさんとかにも、
少しは役立つお話ができると思いますので、
長文になるとは思いますが、
暇な時にでもさらっと読んでもらえたらありがたいっす。
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もともと-atled-は、現在休止中のサークルTheSOTSで、
ときどき、晴天を見上げて…次の作品として、
出そうかなぁって予定でした。
あ、もちろんエロゲで、です。
でもプロットとかを固めているうちに、
あー、これは全年齢でやりたいなぁ……に変わっていきました。
理由は、第3部までやっていただけたらわかると思います。
で、この-atled-を作ろうとしたのは去年なんですね。
路上で歌う女の子が主人公ってことで、
ライブとかで歌える女の子を捜しておりました。
そして見つけたんですよ。
とびっきりの歌姫を。
その娘と会って話をして、じゃあいこうか!
となった矢先に、某音楽会社(第1部の山下先生との会話がヒント)に、
あとから入られちゃいまして。
まぁ素人のゲームをとるか、プロの道をとるかという天秤を、
彼女ではなくその会社から突きつけられて、
自分は大人しく撤退したわけです。
ああ、その娘のことは恨んでないです。
歌も上手いし可愛いしで、是非売れて欲しいですよ。
もちろん応援もしてます。
まぁそこでモチベーションが下がっちゃったんですが、
OZのtimecrossを聞いて、「あ、書き直してみるか……」と、
プロットに変更をかけてみたんですよ。
そしたら綺麗にハマった――ってのが、
今の-atled-が生まれた瞬間ですね。
自分は今年の2月から、メーカーの広報として就職し、
同人活動は殆ど出来ない状態でした。
そんな中、パソパラの編集さんから、
「今年で200号なんだよ。だから特別企画でゲームをつけたい」
というお話を頂きまして、
「よかったら、俺に作らせてもらえませんか?」
と、掴んだものは犬のクソでも離さない根性で食いついてみたわけです。
もちろん会社の利益になるよう、
アール18のブースターに素材をもらうという条件で、
会社にも制作の許可をもらいまして。
ただ、俺はテキストしか書けないので、
一緒に目立てる仲間を作るため、周りの制作仲間に声をかけました。
といっても、さすがに無作為に声をかけるのはできなかったので、
「会ったことがあり、仕事や連絡に信頼がある人」
というのを条件にしたんですよ。
だって、自分が総指揮とはいえ、パソパラさんとタイアップのような企画ですから、
途中で脱落者が出るとかは極力避けなければいけませんでしたし、
何より雑誌には待ったがかけられません。
延期なんてしたら、それこそ200号記念に泥を塗ることになりますし。
ということで、上野の某喫茶店に編集さんとメンバーが集まり、
1作限りの-atled-制作委員会が発足したわけです。
確か、夏コミ直前の話ですね。
この時点での不安は1つ。
「納期」
これだけです。
ちょっと欲張りという感じで各担当に実力者を揃えましたので、
あとは納期の問題だけだったんですよ。
まぁ逆に言えば、納期の心配だけしかしなくていいメンバーに声をかけた、
というズルい考えだったりもするわけですが、
そこはもう俺の黒さということでご理解頂ければと。
なにより、この話し合いの時点で、
第1部の締め切りまで1ヶ月ちょっとしかなかったんですよね。
今思うとゾッとしますが……。
それでもまぁ、素材が上がってくるたび、
メンバーみんなが「おぉ!」とか「すげぇ!」とか、
歓喜の声を連絡掲示板に書きまくってました。
それがいい刺激になっていったみたいですね。
それぞれが他の人に負けていられないと、
さらにやる気を出して頑張れました。
その結果は作品で語れているかと思います。
と、めっちゃ長くなったので、
委員会発足の巻はここまでで。
次回の日記は、シナリオと声優さんの巻でいこうと思います。
……まぁ、すぐ書くとは思いますが。
-atled-公式HP